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これがやりたい「予定した通りに、クラウンの噛み合わせを作る」

歯科医の内輪話 

これがやりたい 「予定した通りに、クラウンの噛み合せを作る」

 

こういう治療がやりたいんです!

 

 

 

上、仮歯の咬合。下、冠の咬合。咬合をシリコンで記録したものです。

あらかじめ仮歯で決めた通りの咬合(噛み合せ)に、クラウン(冠)の咬合を仕上げたいのです。

 

 

 

仮歯の咬合と冠の咬合。

 

過去、保険でブリッジを作ったとき、「当たるのは当たる。高いとかはない。けど、切るだけというか、よく噛めない。すりつぶせません。」と、患者さんに言われたことがあります。

とてもショックでした。

保険では時間がありませんから、咬合をきちんと作る事はとても難しいと思います。

それ以来、良く噛める歯を作るというのが宿題になっていました。

自由診療になって、やっと、ちゃんと咬合を調整できる時間ができました。

 

みなさんも、こういう治療がしたくないですか?

自由診療で、一緒に充実した診療をしましょう!

 

 

 

 

<2ヶ月後>

咬合が高くなく、適正である事を確かめました。
失活歯なので咬合が高いと歯根が割れてしまうかもしれません。
注意しておきたいものです。

 

 

 

以下は、クラウン製作の詳細です。

 

 

1回目のアポイント

1、根管治療後の支台歯(削った歯)

この歯にクラウンを作成します。

2、マイクロで6番の遠心(後側)を直視しながら形成(削る)します。

3、面取り(角を丸める)後の支台歯。

4、個歯トレーを調整します。わずかな時間で作成できます。

即重(安いプラスチック)ではなく、コンポジットレジン(充填用のプラスチック)を使います。

5、シリコン印象(型取り)

対合歯の印象も同時に行います。
シリコンが硬化するまで、通常の待ち時間より2倍位長く待ちますので、上下同時に印象すると効率的です。
片顎づつシリコン印象をすると、20分以上かかり、時間がかかりすぎです。

6、仮歯

印象の前に、仮歯で咬合を確かめてあります。
印象の硬化待ちの間、仮歯を仕上げます。

7、仮歯2

別の角度から見るとこうなります。

8、仮歯のセット

仮歯の口腔内の咬合です。
この咬合の通りに、セラミッククラウン(冠)を作りたいのです。
仮歯の噛み合せは無調整でぴったり。咬合調整は不要です。

咬合器(噛み合せを模型上で再現する機械)上で作った仮歯は、噛み合せが口腔内とは微妙に違うので、無調整でぴったりとはいきません。

今回は、型を取って、仮歯をつけて終わりです。
技工所(歯の工場)に、歯型と噛み合せの写真を送り、セラミッククラウンを製作してもらいます。

2回目のアポイント

9、2回目のアポイント時の、仮歯の咬合です。

おおむね設定した様に噛んでいる様です。

10、コンタクトの調整(歯と歯の間のきつさの調整)

冠をお口に入れる前に、模型上で調整します。
技工士さんも、あらかじめ調整してくれていますが、口腔内での細かい様子は分かりませんので、時々、調整が不十分な事があります。
歯科医なら、どの程度の調整が適正かよく理解しています。

11、口腔内では、コンタクト(歯と歯の間のきつさ)は調整がいりません。

模型上で適正に調整していると、お口の中では、調整は不要です。
フロスが適正な圧力で接触点を通過し、きつくもなく、緩くもなく、丁度よい感じです。
患者さんも違和感を感じません。
また、初めてお口にクラウンを入れた段階で、冠の縁にフロスは引っ掛かりません。
無調整でも、かなりの密着度です。

12、冠の内面調整

パウダーをつけて、冠の内面を調整します。
さらに、冠と歯を密着させるためです。
歯と冠の間に余分な隙間があると、歯と冠のつなぎ目に隙間ができ、ばい菌が溜まります。
ですから、できるだけ、歯と冠は密着させ、隙間がないようにします。

13、冠の内面調整2

パウダーを付けた冠を、歯に被せます。

14、冠の内面調整3

パウダーが付いている所が、歯と冠が強く当たっている所です。
歯の表面を調整します。

15、冠の内面調整4

冠の内面も調整します。
歯と冠の飛び出している場所を、両方調整することで、早く調整することができそうです。
飛び出している部分は削りやすいのですが、凹みは調整されにくいのです。
こうして、冠と歯が密着していきます。

16、冠の密着度をチェックします。

するどい針で、歯と冠のつなぎ目をチェックします。
歯と冠の間に隙間がなければ、冠は歯に密着していることになり、作られた所定の高さを示すでしょう。
もし少しでも隙間があれば、冠は歯から浮き上がっている事になり、所定の高さよりも高い冠になってしまいます。

17、冠の豊隆の調整(冠の盛り上がり)

技工士さんがクラウンを作る時、丸っこい形に作ってくれる事がよくあります。
前後の歯の形と比べて、明らかに丸みが強すぎます。
この様な場合は、丸みの陰にバイ菌が溜まりやすくなりますので、適正な調整が必要です。

18、冠の豊隆の調整2

19、冠の豊隆の調整3

冠の豊隆が、前後の歯と一致するようになりました。

20、内側の、冠の豊隆の調整1

冠の内側の豊隆も調整しました。

21、内側の、冠の豊隆の調整2

隣の歯の豊隆と一致した形になっています。

22、フロスの確認

コンタクトの強さと、冠の縁の適合性を、再度チェックします。
冠が歯にさらに密着した場合、コンタクトの強さが変わってくる可能性があるからです。

23、噛み合せです。

冠は、多少、高めになっています。
技工士さんは、調整代を残し、ほんのわずか高めに作ってきます。
歯科医院では、作った歯が反対側の歯と噛み合わなければ、技工所に再製作をお願いする事になります。
技工所側もむだな再製作が増えれば、事業の効率が落ちますから、噛み合わない歯は作ってきません。
また、仮歯が外れたり、すり減った場合も、冠が高くなります。

24、前方の歯は、すこし噛み合いません。

冠の噛み合せが高いので、前方の歯に隙間が空いています。
隙間は0.2mm程度と思われます。

25、噛み合せの調整1

この様なバー(削る道具)を使い、一気に調整します。

26、噛み合せの調整2

多少の調整で、前方の歯は噛み合いました。

27、噛み合せの調整3

ほぼ、予定の噛み合せに調整できたようです。
しかし、セラミックの歯の場合、咬合紙(噛み合せを示す色をつける紙)の色が付きにくく、大体の事しか分かりません。
咬合紙を透かして見たり、前後の歯の噛み方、患者さんの感覚、ワックスやシリコンによる咬合の記録等、複数の方法を使って、咬合を確かめる必要があります。

28、研磨1

色々な面を調整し、表面が荒れていますので、研磨が必要です。

29、研磨2

セラミックの表面が滑沢になり、冠の表面全体が、この様な光沢になるまで研磨します。
滑沢になれば、バイ菌は付きにくく、付いたバイ菌も歯磨きで落としやすく、お口の清潔に寄与し、虫歯や歯周病を防ぐ事にもつながります。

30、冠の内面の清掃1

冠の内面をよく見ると、調整した汚れが付着しています。

31、冠の内面の清掃2

サンドブラストして、清掃しました。

32、接着1

冠の内面、歯の表面に接着剤を塗り、セメントでセットします。

33、接着2

歯と歯の間のセメントは、フロスで除去します。
歯と歯の間でセメントが固まると、除去が非常に困難です。
他院でなさった、過去の治療のやり直しの時、歯と歯の間に、昔のセメントが残っていることが多いのです。
歯と歯の間にセメントが残っていれば、フロスができませんし、セメントにバイ菌がつき、不潔になります。
歯と歯の間の清掃は、お口の健康に非常に大切です。

34、接着3

接着性レジンセメントに光を当てて硬化させます。

35、咬合(噛み合せ)1

 

 

 

ワックスで、クラウンセット前後の咬合を比べたものです。
上、仮歯の咬合。下、クラウンの咬合。
前方や後方の歯の咬合は、セット前後で変わっていません。
患者さんも、噛み合せは不自然な感じはないそうです。

36、咬合(噛み合せ)2

 

 

シリコンで噛み合せを比べたものです。
上、仮歯の咬合。下、クラウンの咬合。
仮歯で決めた咬合の様に、仕上がっている様子が分かります。

 

避けたい噛み合せ
1、1点だけ噛み合う噛み合せ。
歯の噛み合せは、ある程度の数の咬合接触点があると良く噛めます。
しかし、噛み合う点が少ないと、歯は当たってはいるが、よく噛めない、食べ物がすりつぶせない歯になり、治療後の満足度は非常に低くなります。
特にブリッジや連続冠などの、一度に複数の冠を調整すると、この様な噛み合せになりやすい様です。

2、高い噛み合せ
『冠の噛み合せが高かったけど、「慣れます」と言われ、我慢した。』とおっしゃる患者さんは、案外多いのです。
高い噛み合せは、頭痛や肩こりの原因になったり、その歯の歯周病がひどくなったり、その歯が割れたりします。
特に、今回の様に、根の治療をした後(神経がない歯)は、割れやすいので、噛み合せが高くならないように気を付けます。

3、低い噛み合せ
高い冠より低い冠のほうが患者さんの苦情が少ないので、この様に調整される事もあるようです。
こんな事を繰り返していると、全体の噛み合せが低くなり、口腔内容積が狭くなります。
舌痛症や、舌に歯が当たるなどの違和感、舌の位置の異常などにつながる事もあります。

4、顎の動きを邪魔する噛み合せ
前後左右に動かしたとき、顎の動きを邪魔する噛み合せは良くありません。
上記のようなトラブルが発生したり、顎を後ろに誘導する噛み合せは、顎関節症を引き起こしたりします。

ですから、当院では、1本の歯でも、噛み合せの高さが丁度よく、顎の動きを邪魔せず、良く噛める、満足度の高い歯にしたいのです。

当院では、治療の初期に、ほぼすべての患者さんにマウスピースを使ってもらい、顎位(顎の位置)と咬合を調整していますので、現状の噛み合せの問題はかなり少なくなっています。
こういう前提で、仮歯を使えば、今の噛み合せで、この歯にどういう噛み合せを作れるか、簡単に調べる事ができます。
必要でしたら、反対側の歯(下の歯にクラウンを作る場合は、上の歯)の調整をした方が、良い噛み合せになる事もあります。

大掛かりなフルマウス(お口全体)のブリッジなど行いません。
1本の歯でも咬合器上では誤差が生じます。
やはり、お口の中で調整した方が、うまくいく事が多い様です。

以上の様に、1本の歯でも、良く噛める歯を作りたいと思います。
冠を作る前にどの様な咬合が可能か調べ、予定した咬合の通りに冠を作る事ができるよう、努力しています。

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